先日、ふと耳にした曲(音楽)の中に「あれ?おかしくない?」と思ったフレーズがあり、ちょっと確認してみたらやっぱり間違っていました。そのフレーズというのが
「役不足かもしれないけれど〜」
っていうフレーズ。
役不足
というのは、本来の意味は
「力量に比べて、役目が不相応に軽いこと。また、そのさま。」
ですが、その曲ではちょっと違うニュアンスで使われていた。
【役不足】
[名・形動]
1 俳優などが割り当てられた役に不満を抱くこと。
2 力量に比べて、役目が不相応に軽いこと。また、そのさま。「そのポストでは役不足な(の)感がある」
[参考]
https://dictionary.goo.ne.jp/jn/221507/meaning/m0u/
逆の意味の「本人の力量に対して役目が重すぎること」と勘違いして使っている人は本当に多いです。
学校の先生といえども、完璧に日本語を使いこなしている人は、なかなかいないんじゃないかなって思います。仕方のないことですし、なかなか難しいですから。
と、いうことで、今回は間違いやすい日本語を一気にご紹介!!
僕自身間違えていたり
「え?そうだったの?」
といような語句を紹介します。
あなたの日本語…間違ってませんか?
先生として…ちゃんと知っておいた方がいいんじゃないですか?
Contents
間違いやすい日本語
役不足
「力量に比べて、役目が不相応に軽いこと。また、そのさま。」が正しい意味です。
しばしば反対の意味で利用されることがありますが、気をつけましょう。
【役不足】
[名・形動]
俳優などが割り当てられた役に不満を抱くこと。
力量に比べて、役目が不相応に軽いこと。また、そのさま。「そのポストでは役不足な(の)感がある」
[参考]
https://dictionary.goo.ne.jp/jn/221507/meaning/m0u/
的を射る
「うまく目標に当てる。転じて、うまく要点をつかむ。」という意味ですが、問題は使い方というより、読み方の問題。
正しくは「まとをいる」
「まとをえる」
と勘違いして使って射る人が多いけれど、実際には間違い。
【的を射る】
うまく目標に当てる。転じて、うまく要点をつかむ。
参考:まとをいる【的を射る】の意味 – 国語辞書 – goo辞書
https://dictionary.goo.ne.jp/jn/209033/meaning/m0u/的を射る/
思い立ったが吉日
同じように、使い方ではなく読み方(言い方)の問題で、意味は「何かをしようという気持ちになったら、その日が吉日と思ってすぐに始めるのがよい。」という意味ですが、読み方は
「思い立ったが吉日」
です。
「思い立ったら吉日」
という人がめちゃめちゃ多いのでご注意を。
【思い立ったが吉日】
何かをしようという気持ちになったら、その日が吉日と思ってすぐに始めるのがよい。思い立つ日が吉日。
参考:おもいたったがきちじつ【思い立ったが吉日】の意味 – 国語辞書 – goo辞書
https://dictionary.goo.ne.jp/jn/33266/meaning/m0u/思い立ったが吉日/
失笑
正しくは「思わず笑い出してしまう/おかしさのあまり噴き出すこと」という意味になります。
「笑いも出ないくらいあきれる」という意味で使われがちですが、それは実は間違い。
【失笑】
[名]思わず笑い出してしまうこと。おかしさのあまり噴き出すこと。「場違いな発言に失笑する」
参考:しっしょう【失笑】の意味 – 国語辞書 – goo辞書
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/98471/m0u/
確信犯
正しくは「道徳的、宗教的または政治的信念に基づき、本人が悪いことでないと確信してなされる犯罪」という意味になります。
「悪い(罪)と知りながら行われる犯罪」という意味ではありませんでした。
※私も間違えておりました!!
【確信犯】
道徳的、宗教的または政治的信念に基づき、本人が悪いことでないと確信してなされる犯罪。思想犯・政治犯・国事犯など。
《1から転じて》悪いことだとわかっていながら行われた犯罪や行為。また、その行為を行った人。「違法コピーを行っている大多数の利用者が確信犯だといえる」
参考:かくしんはん【確信犯】の意味 – 国語辞書 – goo辞書
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/38874/m0u/
情けは人の為ならず
「誰かに情を掛けることは、その人のためにならない」と思っている人も多いようです。子どものほとんどが、そのように思って勘違いしていました。
正しくは「人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがてはよい報いとなって自分に戻ってくる」という意味。
【情けは人の為ならず】
人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがてはよい報いとなって自分にもどってくる、ということ。誤って、親切にするのはその人のためにならないの意に用いることがある。
参考:情けは人の為ならずの意味 – 国語辞書 – goo辞書
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/163893/m0u/
煮詰まる
「行き詰まって結論が出ない状態」という意味で使われがちです。
しかぁーし!!!
正しくは「討議・検討が十分になされて、結論が出る段階に近づく」という意味です。
【煮詰まる】
[動]
煮えて水分がなくなる。
討議・検討が十分になされて、結論が出る段階に近づく。
参考:につまる【煮詰(ま)る】の意味 – 国語辞書 – goo辞書
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/167586/m0u/
敷居が高い
「自分には水準・基準が高すぎて手が出しづらい/自分には合わない」という意味で使われがちですが、正しくは「不義理や面目のないことがあって、その人の家へ行きにくい」という意味になります。
何かあったんですね…敷居が高いと言う人は…
【敷居が高い】
不義理や面目のないことがあって、その人の家へ行きにくい。
参考:敷居が高いの意味 – 国語辞書 – goo辞書
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/94732/m0u/
気が置けない
「油断できない/遠慮する」という意味で使われがちですが、正しくは「遠慮したり気をつかったりする必要がなく、心から打ち解けることができる」という意味になります。
全く逆の意味なので、利用には注意が必要ですね。
【気が置けない】
遠慮したり気をつかったりする必要がなく、心から打ち解けることができる。
参考:気が置けないの意味 – 国語辞書 – goo辞書
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/50069/m0u/
うがった(穿った)見方
「疑ってかかるような見方をする」という意味で使われることがありますが、正しくは「物事の本質を捉えた見方・物事の事情や背景を見通そうとした見解や考え方。」という意味になります。
「文化庁広報誌 ぶんかる」によると、日本人の50%が間違えています。
- (ア)物事の本質を捉えた見方をする… 26.4%
- (イ)疑って掛かるような見方をする… 48.2%
- (ア)と(イ)の両方…2.1%
- (ア)(イ)とは全く別の意味…2.9%
- 分からない… 20.3%
参考:文化庁広報誌 ぶんかる
【穿った見方】
物事の事情や背景を見通そうとした見解や考え方。詮索を含むものの見方。
参考:うがったみかた【うがった(穿った)見方】の意味 – wrblio辞書 –
https://www.weblio.jp/content/穿った見方
潮時
「引き際/ものごとの終わりのタイミング」という意味で使われることがありますが、正しくは「物事を始めたり終えたりするのに、適当な時機」という意味です。
【潮時】
潮の満ちる時、また、引く時。
物事を始めたり終えたりするのに、適当な時機。好機。
時間。特に、一日のうちで出産や死亡の多く起こる時間。潮の干満の時刻に合わせて起こるからという。
参考:しおどき【潮時】の意味 – 国語辞書 – goo辞書
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/94048/m0u/
浮き足立つ
「ウキウキしている様子」という意味で使われることがありますが、間違いなのです。浮き足立つは「浮かれている様子」ではなく「不安や恐れで落ち着きを失う。逃げ腰になる。」が正しい使い方です。
【浮き足立つ】
[動]
不安や恐れで落ち着きを失う。逃げ腰になる。「倒産のうわさに社員が―・つ」
俗に、期待で浮かれた気持ちになり、そわそわする。「開幕を前に―・っている」
参考:うきあしだつ【浮き足立つ】の意味 – 国語辞書 – goo辞書
https://dictionary.goo.ne.jp/jn/18091/meaning/m0u/浮き足立つ/
ちゃんと読みたい 読み間違いが多い日本語
過不足
「かぶそく」ではないんです!
正しくは「かふそく」という読み方です。
そして、意味は「過ぎたことと足りないこと。多すぎることと足りないこと」という意味で「過不足ない説明が求められる」というような使い方が正しい使い方です。
参考:かふそく【過不足】の意味 – 国語辞書 – goo辞書
https://dictionary.goo.ne.jp/srch/jn/過不足/m1u/
続柄
「ぞくがら」ではないんです!
正しくは「つづきがら」という読み方で、意味は「親族としての関係のこと」でなんです。
参考:つづきがら【続柄】の意味 – 国語辞書 – goo辞書
https://dictionary.goo.ne.jp/srch/jn/続柄/m1u/
言質
そもそも、読めますか?
これ
「げんしつ」「げんしち」でもないんです!
正しくは「げんち」という読み方で、意味は「後日証拠となる(約束した)ことば」でなんです。
参考:げんち【言質】の意味 – 国語辞書 – goo辞書
https://dictionary.goo.ne.jp/srch/jn/言質/m1u/
幕間
「まくま」ではないんです!
正しくは「まくあい」という読み方で、意味は「劇場で、一幕終えて次の幕が開くまでの間」でなんです。
参考:まくあい【幕間】の意味 – 国語辞書 – goo辞書
https://dictionary.goo.ne.jp/srch/jn/幕間/m1u/
一段落
「ひとだんらく」ではないんです!
正しくは「いちだんらく」という読み方で、意味は「1つの段落。一区切り」でなんです。
参考:いちだんらく【一段落】の意味 – 国語辞書 – goo辞書
https://dictionary.goo.ne.jp/srch/jn/一段落/m1u/
逝去
「いきょ」ではないんです!
正しくは「せいきょ」という読み方で、意味は「他人の死の尊敬語」でなんです。
参考:せいきょ【逝去】の意味 – 国語辞書 – goo辞書
https://dictionary.goo.ne.jp/jn/121278/
meaning/m1u/逝去/
既存
「きぞん」ではないんです!
正しくは「きそん」という読み方で、意味は「すでに存在すること」でなんです。
参考:きそん【既存】の意味 – 国語辞書 – goo辞書
https://dictionary.goo.ne.jp/jn/
52421/meaning/m1u/既存/
まとめ
いかがでしたか?
間違って覚えていた・使っていた言葉もあったのではないでしょうか?
言葉というものは時代と共に変わりゆくものであり、例えば、若者言葉が辞書に載って正しい言葉になるなんてことも、これまでたくさんありました。
つまり、上記の言葉も、もしかするといつか誤用のほうが正しい意味として定着してしまう日が来るのかもしれません。
話し言葉においてはより“伝わる”という点を意識すれば、多くの人の理解に合わせることもできるかもしれませんが、日本人として正しい言葉の使い方をしっかりと把握しておくことは大切なことです。
特に、私たち教師は正しい言葉や使い方を知っておくことは大切なことです。
気をつけていきましょう。
私もめっちゃ間違えていました。。。。
今回も、閲覧いただきありがとうございました。