日本特有の文化だと思いますが、日本には言霊信仰があり、言葉をとても大切にしてきました。
1つの言葉で救われることもあれば
1つの言葉で傷つくこともあります。
何かを伝える時…話をしている時…
無意識に言葉を使っていますが、言葉と向き合って大切に扱うことがよりよりコミュニケーションにつながります。
カウンセラーの立場でクライアントの話を聞く時に限らず、教師として、子どもや保護者、同僚、上司の話を聞く時など、人として生きていく上で、言葉を大切に扱うことはとても大切です。
特に、僕の場合、話は聞くことへの比重を多くしています。これは誰もが似たようなものだと思いますし、実際に聞くことを大切にしている先生も多いと思います。
とはいえ、「聞く」だけでは、話は進展しません。そのため、こちらが話すことももちろん多くなります。
その時に大切にしているのは
聞き方(質問の仕方)
です。
実は、聞き方1つで
相手が受け取る印象も…
相手が考える内容も…
全く異なってきます。
今回は、そんな
ちょっと工夫した質問の仕方
について紹介したいと思います。
保護者の方も、先生の方も、日頃の日常の場面で使えるものですので、是非参考にしてみてください。
Contents
先生も保護者も大切にしたい!
同じ内容でも「否定語」ではなく「◯◯」を利用する!
物事には良い面があれば悪い面もあり、これは表裏一体です。人間の受け止め方1つで、良くもなれば悪くもなります。
誰かに何かを指示する場面で、僕がよく利用するテクニックは
否定語(「〜するな」など)は使わない
ということです。
具体的な場面で説明すると、よくあるシーンで廊下を走っている場面に遭遇したら
「廊下は走るな!」
ではなく
「廊下は静かに歩こう!」
という感じで、肯定的な言葉で指示をするというものです。
他にも、何かの発表の場面(全校児童の前で連絡をするなど)では
「緊張するな」
という言葉よりも、肯定的な言葉を使って
「リラックスしよう」
「普段通りで大丈夫」
こんな言葉をかけてあげています。
こういった肯定的な言葉を利用することは、本人も冷静さを保ち、落ち着いて行動できるという研究結果も出ています。
否定語(「〜するな」など)は、人を縛り、そして萎縮させてしまうことがあります。言葉一つで体の状態まで変わってしまうので、ちょっとした言い回しですが、
否定語よりも肯定語
是非、意識してみてください。
保護者も必見!
大切なのは過去より未来。「なぜ?」より「◯○?」を意識する!
「否定語を控える」というテクニックの他に、意識していることとして、さらにちょっとだけ
コーチングのスキル
を加えるとより子どもも大きく変わってきます。コーチングのスキルというと、少し難しそうに聞こえますが、否定語を控えると同じように、簡単なものです。
ちょっとした意識だけで簡単に実践できるもので、簡単なのに効果は抜群です!
今回のテーマである質問の仕方を工夫するという部分にもなりますが、工夫することは
「なぜ」
より
「何が」「どうやって」
という言葉を使うということです。
「なぜ、できない」
ではなく、
「なにが、問題?」
「どうやって、解決する?」
というイメージです。
コーチングの考え方として
Why(なぜ・どうして)
よりも
What(何が・どんな風に)
という声かけの方が、相手の答えを引き出すとされています。
これは、
- 「なぜ」→過去にフォーカスしている
- 「なに」→未来にフォーカスしている
という考え方からです。
人は、「なぜ?」と訊かれると、その理由を探し考えます。これにより、本人は過去にフォーカスをして理由を考えながらも、導き出された答えは、未来を向いているからです。
例えば…
何か問題が生じた際に
「何が問題だったのか」
「どうすれば解決できたか」
と聞くことは過去にフォーカスしていても
「◯◯が原因だった。(だから次は気をつける)」
「あの時こうすれば、解決できた」
というように、その解答は未来を向いています。
たったこれだけで、過去に執着してしまうか、未来を向いているかと、大きく異なってくるのです。
<保護者・先生向け>
超簡単!ちょっとした聞き方の工夫!まとめ
同じことを聞いていても、言葉と向き合い、一言一言を大切に使うことで、全く異なる印象になります。ちょっとした印象の違いかもしれませんが、差は歴然であり、子どものあなたをみる目が変わってきます。
今回は、ちょっとした工夫(意識の変化)だけで出来る、超簡単な聞き方の工夫として
- 否定語よりも肯定語
- 「なぜ」より「なにが」
という心理学・コーチングのスキルを交えて紹介しました。もちろん、他にもたくさんのテクニックがありますが、まずはこちらからご紹介。
よければ、参考にして頂ければと思います。